2014年11月09日

南京日記2014.11 その6 南京朗読劇場 白拍子

11.9 その二



電話で「今日の入りは1時と言っていたけれど、1時半でいいですよ。」とあって、先
ほど「種があるけどおいしい。」と信さんが部屋にみかんを二つ届けてくれた。

しばらくして、この7階の窓から信さんが劇場へ行かれるであろう姿が。



お客なしの南京朗読劇場4日目を終えて、ミカンを頂く。

本当に種いっぱいだけど、おいしい。



南京朗読劇場

会場:錦江之星JinjiangInn 南京新街口朝天宮西街店 708号室

時間:不定

入場料:なし

読み手:清水寛二

作品

1. 中里恒子作『墓地の春』

2. 石川淳作 『焼跡のイエス』

3. 原民喜作 『夏の花』

4. 坂口安吾作『桜の森の満開の下』

(台本は、岩波文庫「日本近代短編小説選昭和篇2」による)



たまたまこちらに来る前日に本屋に寄ったら、この本の『夏の花』が出ていたので買
い求めてきた。

部屋にいる時間があったので、1篇ずつ声に出して読んでみた。

夜読んだこともあったので周囲の部屋の方々にはご迷惑をおかけしたかもしれない。

あとの続編は日本にて。



今日は『桜の森の下の満開の下』

いきなり能が出てくる。

「能にも、さる母親が愛児を人さらいにさらわれて子供を探して発狂して桜の花の満
開の林の下へ来かかり見渡す花びらの陰に子供の幻を描いて狂い死にして花びらに埋
まってしまう(このところ小生の蛇足)という話もあり、…」



「白拍子」も出てくる。

女が言う。

「今夜は白拍子の首を持ってきておくれ。とびきり美しい白拍子の首だよ。舞いを舞
わせるのだから。私が今様を唄ってきかせてあげるよ。」

今まで何人もの首を取ってきた男だが、結局、男は、取ってこなかった。



よかった、私が今度その美しい白拍子をやるのだから。

ああ、しかし、私がやる白拍子も、もしかしたら、惨殺されていたのかもと・・・。

「佛御前」―『仏原』。



さて、劇場へ出発。

朝ごはんこのホテルで食べてみたけれど、あんまりおかずがなく、お粥と小豆粥と炒
飯と万頭と、はは、食べ過ぎ食べ過ぎ、ぎっちょんちょん。

さて心残りの無いように、途中ラーメンを仕込んでから入ろうか。



公演の成功を!




posted by しみかん at 12:59| 日記

南京日記 2014.11 その5 届くか届かないか

11.9



今朝は曇り。

昨日出かけに雨が降っていたので、近所の小さな雑貨屋さんで傘を買ったら、それか
ら止んでしまって・・・。



今日は朱鷺フェスティバル最終日。

それぞれのグループが作ってきた作品を上演する。

7作品。(チラシがしみかんサイトに掲載される予定)



昨日はリハーサルがあり、昆劇院李院長主催の宴会があり、昆劇院の定例公演の観劇
あり。



宴会!

食べきれないほどの美味しい料理!

白酒(43度)の乾杯!

それからの観劇!

酔眼に世にも美しい世界が広がる。

コウタ君に似た李院長のお弟子さんの道化役あり。ぜひいつか共演を。



私は『駅2014』佐藤信作・演出のパートT。

ほぼ昨日のリハーサルで、流れは決まっているのだけれど、細部は任されている。

出をどうしようとか、あそこはどうだとか、昨夜ホテルに帰ってから今朝までぐじぐ
じと思っているのだけれど、

まあ、小細工はできないから、すっきり行くしかないよね。

もちろん。

佐藤信師の中にきちんとした能あり。

私の身体の中の能ってなんだということか。

田中泯師の「行きつ戻りつ」も思いつつ。

ちなみに、衣装は、私は黒紋付・袴で、相手役の徐思佳さんは白い昆劇の水袖のある
伝統的女衣装。



昆劇と能・狂言、組踊も、ルーツは同じ、アジアの芸能。



しかし、どうしてしみかんサイトが見られないのかな。

どうもメールも、来ているはずのものが来てないような気がする。

フェイスブックからのメールで、お知らせありと来るのだけれど、そのお知らせは見
られないのだ。



さて、朝食。ホテルの朝飯はセットになっていないし、行ってなかったのだけれど、
せっかくだから一度このホテルの食堂で食べてみようか。

そして、昼に例の道端のラーメンで。




posted by しみかん at 09:58| 日記

2014年11月08日

南京日記2014.11 その4 ピンダ!

11.7



夜に入って小雨。

朝は窓に露がついていたので結構冷え込んでいたか。



日課になっている『駅2014』午後の稽古。

今日は夕方は結城座、結城孫三郎さんと数馬さんの一般公開のデモンストレーション
あり。

そして夜が、昆劇院の若手による新作『319-回首紫禁城』(何回かやっている。
以前にも1度拝見)。

会場はすべて昆劇院内の劇場「蘭苑劇場」。



昼飯は行き路にラーメンで、晩飯は帰り道に青菜牛肉かけごはん。

それぞれ間口2間あるかという小さな食堂。

合わせて20元ほど。1元は17円ほどと聞いているので、今日の食費は340円く
らい。

あ、それに水のペットボトル一つと「雪花ビール」1本たして、10元ほど。

食堂でビール頼むときは、「ピンダ!」と頼むこと。

「冷えたやつ!」



昆劇院の若手は、この前も横浜・バンカートでのダニー・ユンさん(香港の演出家・
私も『霊戯』で出ました)の作品に出演していたが、

もしコメントを求められたら、

「すばらしい花が咲きましたね。この若手たちをトレードして連れて帰りたいです。

こういう本当に育って行こうとする若手を大きな目で見て育てている南京昆劇院と南
京という地に敬意を表します。

日本人として、この南京でこの人たちと同じ舞台に立てるという天の導きに感謝しま
す。」と。



佐藤信さんは彼らにも率直な意見を。

基本的にはすごくよくなったということと、戯曲などいくつかもう一つ工夫すれば
もっとよくなるのではないかという提案。

こういう師を持つことの幸せ。

ちなみに『仏原』にもいらしていただけます。



『駅2014』3部作も皆さん素晴しいので、わたしも一緒に乗せてください。



そして、明日もどこか場所を見つけて『仏原』やります。



そう、今日午前中は『長崎の聖母』のニューヨークバージョン台本の整理を少ししま
した。

この公演の詳細も今決まってきています。




posted by しみかん at 00:46| 日記

2014年11月06日

南京日記2014.11 その3 『夏の花』


11.6

午前9時、晴れ。



夜中にちょっとひどい夢を見て、しかたなく、おしっこに起きた(おしっこに行きた
いのが原因か?まあ、のども乾いていたし)。

『大原御幸』などの尼姿で使う「花帽子」を修君に着けようとして、なかなか着かな
いのだ。

決めたと思ったら、またずれていたり留まっていなかったり・・・。



さっき起きる前には、なんだか謡っているのに、何を謡っているのかわからず、しか
も相当眠くて瞼がくっつき、扇を持ったまま前につんのめりそうになって、そうする
と急にそれが終わって、どこかの座敷での謡の会らしい。そうこうするうちに、それ
が『姨捨』だったらしいことに気がつくが、謡会は解散になって、帰り路、行き止ま
りに突き当たって、道を探せば、駅への道は遠く上り路になって・・・。



快晴。

昨日も朝は晴れていたのに、午後は雨が降って、「つ〜めた〜い雨が 今日はこ〜こ
ろにし〜みる」傘がない状態だった。



昨日は私の班は稽古がなく、他のグループの稽古を見学。

同じく佐藤信さん演出の、結城孫三郎さんと昆劇院の道化役・銭偉君の『駅2014』。

一昨日が初めてで、昨日の2時間の稽古でどんどん進む。

二人の酔っ払い。一人は人形で、もしかしたら3人の酔っ払い。

演出家の素晴らしい指示。

「夢」の展開。



床屋にも行きました。

『風の又三郎』の時、共演の松島誠さんにバリカンで坊主にしてもらったのだけれ
ど、その松島さんも今回ご自身の作品で参加。

私の頭を見て「ちょっと伸びましたね、床屋に行きましょうか。私もやってもらいた
いし、ホテルのそばにあったでしょう。」と誘ってくれた。

20元。

今、この前の鏡を見ると、少し虎のようでもあるが、わざとかしらん。

南京のあんちゃん。



昨日の夜は南京師範大学での佐藤信さんの講演。

孫三郎さんたちと連れて行ってもらってお聞きする。

「伝統と現代」。

ご自身関わっている演劇のことを要領よく述べられる。

私の位置も見えてくる感じがしてありがたい。

最後に質問に答えて「演劇は自由だ」とおっしゃる。

どこかにまとめが出るかもしれない。



ここはインターネット接続はしているのだけれど、グーグルはつながらない。

響の会サイトはつながっても、しみかんサイトにはつながらない。

このしみかん日記にはつながる。

なかなか書かずに、ずいぶん間をおいているなあ。

以前のを見ると広島の記事がある。

今回持ってきた文庫本で、ちょうど原民喜の『夏の花』を読んだ。

中国の検索サイトを見てみると、『原民喜』は出ている。代表作として『夏天的
花』。



手帳に、この春ヒロシマに行ったときに書き写した原民喜の碑銘があるので、ここに
書いてみたい。



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遠き日の石に刻み

砂に影おち

崩れ墜つ

天地のまなか

一輪の花の幻



原民喜詩碑の記(碑の裏面)

原民喜は人がら清純沈鬱に流俗と遭ひ難い詩人であった。一九五一年三月一三日夜、
東京都西郊の鉄路に枕して濁世を去った。蓋しその主の孤独と敗戦国の塵勞とは彼の
如き霊の能く忍ぶところでは無かった。遺書一七通、先ず年来の友情を喜びさてさり
げなく永別を告げんと記し、うち二通の文尾に書き添えた短詩「碑銘」は思を最後の
一瞬に馳せて亡妻への追慕と故郷壊滅の日を記した力作「夏の花」に寄する矜持と又
啼泣とを「一輪の花の幻」の一句に秘めて四十六年の短生涯を自ら慰め弔うもの、辞
は簡に沈痛の情は深い。遺友等ために相謀り地を故郷に相し銘記せしめて之を永く天
地の間に留めた。

一九五一年七月十三日夜 遺友中の老人 佐藤寿元記す 

碑 設計谷口吉郎

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



碑は、原爆ドウムの傍らにあり。

元の地名は猿楽町なり。



榮夫先生から原民喜氏のことを伺っておけばよかった。



さて、出発して、昆劇院への路中(5分で着くけれど)どこかで朝食兼昼食をとり、
12時よりの稽古へ、いざ!




posted by しみかん at 11:31| 日記

2014年11月04日

南京日記2014.11 その2

この部屋は西側に面していて、赤く上った朝日が向こうのビルの窓に反射している。

南京二日目の朝が明けて、何の音だと思ったら鳥の声も。

晴れ。



今年2014は上海で迎えた。

ずいぶん昔のことのような、まだ終わっていないけれど、いろんなことをやった一年
だった。

南京・上海での『駅2013』、プランb での田中泯さんとの『カラダハコレカラダ』、
青山能楽フェスティバル、銕仙会能楽研修所30周年記念能初日の『朝長』、ポーラン
ドでのルブリン音楽祭・ザブジェ地下劇場公演、佐渡猿八折敷神社での文弥人形との
『中将姫』、8.8長崎・原爆爆心地での舞『地の心』、小池博史ブリッジプロジェク
ト『風の又三郎』、この南京朱鷺国際フェスティバル『駅2014』。

そして、銕仙会11月公演『仏原』。

もちろんいろんな能での地謡・後見。後見多いな。(後見は厳しい、けれど勉強に
なっているはず)

沖縄・東京の芸大などの集中講義や福島や清川村などでのワークショップ。



まだ一年を振り返るには早いけれど、ふと思う。

この前法政の進歩慈雨有無で、(お、シンポジウム!)1971年、



ここで日本から電話あり、しばらく音信していなかった人から。

よかった、手術をされたらしい。

今度一献。



1971年は、銕仙会で『昭君』を演出を見直しての上演がされた年で、寿夫・榮夫・静
夫・閑・万之丞・万作氏たちが青年座の方々と「冥の会」を始め、第一回公演に『オ
イディプース』を上演した年。

そして私が早稲田に入学して、それらに出会った年。

先日の浅井さんの姨捨の時のパンフレットに、野村萬先生が「冥の会」の『山月記』
のことを書いておられた。

ちょうどその朝、その『山月記』の観世寿夫と野村万之丞(現萬)のお二人の舞台を
思い出していた。

(このまま書くと長くなるのでまったく途中省略して)



やっぱり「二曲三体」!

舞歌の二曲、老・女・男の三体。

古典は基本に向かって進むのがよし。

世阿弥さん!



ああ、しきりに鳥が鳴く。

沖縄でも似た声を聴くね。

今回の『駅2014』では、世阿弥の佐渡での『金島書』の中から、『時鳥』の一部分を
謡う。

「鳴けば聞く、聞けば都の恋しさに…」





今日はどの様な一日が。

ああ、日記書かなくてもいいのにと思いながら、またやってしまった。

さあ、まず、足のテーピングから。



(携帯電話は通じます。FBはつながりません。)


posted by しみかん at 09:39| 日記